昨日6月18日、従来の宅地建物取引主任者を「宅地建物取引士」に名称変更するなど、
宅地建物取引業法の一部を改正する法律案が、参議院本会議で可決し、成立しました。
名称変更に伴う試験制度および業務内容の変更等はなく、従来の通りです。
では、この名称変更にどのような意味があるのでしょうか。
日本における資格名につく「士」には、「~の専門家」、「~を独占してできる者」という意味があります。
宅建主任者の行う重要事項説明は、上記の意味に合致するものであり、事実上「士」としての業務と言えます。
このような背景から考えると、「主任者」が「士」に名称変更されたこと自体には問題ないと思います。
しかし、なぜこの時期に変更になったのでしょうか。
実は名称変更は今回が初めてではありません。
1958年第1回宅建試験が行われたときは、宅地建物取引員という名称でしたが、その後の変更で、1965年に宅地建物取引主任者になりました。
ピン!ときた方もいるでしょう。
そうです。1964年の東京五輪の翌年に名称変更がされました。
そして、今は2020年の再びの東京五輪の開催を控えている時期です。
五輪特需は、不動産市場への影響を与えるといわれており、これによる不動産景気の回復が期待されています。
つまり、不動産景気の活性化に期待を込めて、宅地建物取引主任者の名称変更がなされたのだと推測することができます。
五輪が不動産市場にどのような影響を与えるか、今後の動向が楽しみです。